映画『コンジアム』のあらすじ
YouTubeで恐怖動画を配信する人気チャンネル「ホラータイムズ」が一般参加者を募り、コンジアム精神病院を訪れる。主宰者・ハジュンら7人の男女はさまざまな機材を装備して建物内に潜入。探索を続けるうちにサイトへのアクセス数は順調に伸びていくが…。
参照:U-NEXT
制作(公開年) | 2018年 |
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上映時間 | 94分 |
監督 | チョン・ボムシク |
主演・キャスト | ハジュン:ウィ・ハジュン アヨン:オ・アヨン シャーロット:ムン・イェウォン ソンフン:パク・ソンフン スンウク:イ・スンウク ジェユン:ユ・チェユン ジヒョン:パク・チヒョン |
主演キャスト「ウィ・ハジュン」映画一覧
- 『ガール・コップス』(2019)
- 『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』(2018)
- 『18アゲイン』(2020)
- 『イカゲーム』(2021)
『コンジアム』で主演を務めるウィ・ハジュンは、1991年8月5日生まれの俳優です。中学生時代にダンス部に所属したことをきっかけに芸能界への興味を抱きます。芸術学校への進学を希望するも両親から強く反対され断念。高校3年生の時にソウルにある演技学院に進み、俳優への道を進み始めます。2021年に配信されたネットフリックスオリジナルドラマ『イカゲーム』では、闇社会で行われている命をかけたデスゲームの真相を明かすために潜入する正義感の強い警察官を演じ、世界中から高く評価されます。本作をきっかけに知名度が高まり、今後の俳優としての活動に注目が集まるようになりました。
映画『コンジアム』に併せて観たい映画一覧
- 『ホラー・ストーリーズ』
- 『美しい夜、残酷な朝』
- 『メタモルフォーゼ -変身-』
- 『殺人漫画』
- 『コクソン』
『コンジアム』のような(ジャンル)映画を観たい時におすすめの映画5本を厳選しています。
『コンジアム』のような韓国発のホラー映画のおすすめ5本を紹介します。韓国映画は、社会派やコメディの人気が高いですが、カメラワークや演出方法が特殊なため、ホラー映画もハリウッド映画や邦画とは異なる雰囲気となっています。ホラー映画には、メッセージ性が込められている作品も多いですが、単純に恐怖感を味わいたい時におすすめな作品を選出しました。100%恐怖で支配するための演出となっているため、興味本位で鑑賞するときは要注意です。
『コンジアム』を観た感想
・ほぼ無名の役者がキャスティングされていて新鮮な気持ちで楽しめる
『コンジアム』は、ホラーコンテンツを作ってYouTuberとして一攫千金を狙う若者たちが描かれています。もちろん、本作自体はフィクションなため、韓国のそこそこ名が知れた役者をキャスティングすることが悪ではありません。
しかし、『コンジアム』ではあえて世の中に名が知られていない役者をキャスティングすることで視聴者側にリアリティを与えました。実際に、有名どころを中心にたくさんの韓国映画や韓国ドラマを見てきたものの、本作に登場する役者は初見揃いだったのが印象的です。
一般的な韓国商業映画の総製作費用は約50億ウォンに対して、本作は24億ウォンで製作されたとのことです。約半分の費用で製作され、低予算ぶりが数値からも伺えます。韓国国内では、ハリウッド映画『レディ・プレイヤー1』と同じ週に公開されて、初登場1位の興行収入を記録したそうで、ノースター&低予算でも観客の注目を集めたことがわかります。
・ストーリーがあって入り込みやすい
『コンジアム』のように登場人物たちがカメラを持って、役者と観客の視点が一致する演出を「POV(Point Of View:主観視点)」と呼びます。今までも数多くのドキュメンタリー風ホラー映画でPOV手法が活用されていたのですが、本作がここまで人気を集めた理由は、ストーリー設定にあるように思えます。
従来のPOV手法のホラー映画は、ホラースポットに行って怪奇現象を体感するものでした。対して、『コンジアム』ではホラースポットに行くまでのストーリーがあります。登場人物たちは、YouTuberで、「楽してお金を稼ぎたい」という姑息な魂胆を持っています。若者らしい軽いノリで集まり、男女でお酒を飲みながら馬鹿騒ぎしている様子を淡々と見ることになるのです。観客としては、「早くホラースポットに行け!」とフラストレーションが溜まってきます。同時に「このちょっと鼻につく若者がどんな怖い目にあうだろうか」というワクワクが募るので楽しめました。
ただただ「怖い」のではなく、登場人物たちが怯える様子を楽しめるので、新しい角度からドキュメンタリー風ホラー映画を堪能できました。
・最新機器を使った撮影で現代リアリティに富んでいた
今までもたくさんのPOV手法のホラー映画は製作されていたのですが、本作が決定的に異なるのは、撮影に使っている機材にあるでしょう。従来の映画では、ビデオカメラやスマホが使われていて、やや荒い画質がさらに恐怖を煽る演出となっていた印象です。
一方、本作では、Go Pro、カムコーダー、Osmo、VRカメラなど最新機材を導入して撮影に挑みます。さらに、リアリティを演出するためにあえてプロのカメラマンを起用せずに、役者側がカメラを回すスタイルを採用していたとのことです。実際、手ブレが激しかったり、写す角度が少しずれていたりしました。お金が欲しい素人YouTuberという設定がある通り、まるで本物の「底辺YouTuber」の映像を見ているような感覚で楽しめます。
このように細かい部分でストーリー設定とカメラワークを一致させていたため、気づけば製作側の意図する通り現代の若者が恐怖に陥れられる展開を一緒に堪能できました。