映画『私の頭の中の消しゴム』のあらすじ
無骨な大工のチョルスと建築会社社長の令嬢でちょっと天然なスジン。運命の出会いで結ばれたふたりは、住む世界の違いを乗りこえて幸せな結婚生活を始める。しかし、スジンは若年性アルツハイマー病に冒されてしまい、やがてふたりの愛の記憶まで失っていく。…。
参照:U-NEXT
制作(公開年) | 2004年 |
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上映時間 | 117分 |
監督 | イ・ジェハン |
主演・キャスト | スジン:ソン・イェジン チョルス:チョン・ウソン |
主演キャスト「ソン・イェジン」映画一覧
- 『妻が結婚した』(2008)
- 『ラブストーリー』(2003)
- 『殺人の疑惑』(2013)
- 『ザ・ネゴシエーション』(2018))
- 『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』(2018)
『私の頭の中の消しゴム』の主演を務めるソン・イェジンは、1982年1月11日生まれの女優です。ソウル芸術大学に進学した1年後に、休学を決めて、役者になるための道を歩み始めます。『秘密の涙』(2000)でスクリーンデビューを果たしたのち、『ラブストーリー』『永遠の片想い』などの映画で主演を演じます。韓国国内では、「国民の初恋」と呼ばれていて、高い人気を誇ります。近年では、ネットフリックスオリジナルドラマ『愛の不時着』で主演を務め、韓国国内に止まることなく、世界的な注目を集めました。
映画『私の頭の中の消しゴム』に併せて観たい映画一覧
- 『ラブストーリー』
- 『ビューティーインサイド』
- 『建築学概論』
- 『純情』
- 『あなた、そこにいてくれますか』
『私の頭の中の消しゴム』のような(ジャンル)映画を観たい時におすすめの映画5本を厳選しています。
『私の頭の中の消しゴム』のような韓国発の切ない恋愛映画を5本紹介します。韓国映画は、邦画やハリウッド映画とは異なり、キャラクターの心情描写や見せ場をしっかりと演出する特徴があります。カメラワークを切り替えて同じシーンを繰り返し写したり、スローモンションで各キャラクターごとの表情を繊細に描くため、みている側は感情移入しやすくなります。ゆえに、韓国が作る感動作では、涙なしではみられないものが多く、涙活にもってこいなのです。中でも、恋愛映画はキュンキュンしながら切ない感動を同時に楽しめます。
『私の頭の中の消しゴム』を観た感想
・日本のテレビが原作
『私の頭の中の消しゴム』は、2001年に日本で放送されたテレビドラマ『Pure Souel〜君が僕を忘れても〜』が原作です。永作博美、緒形直人が主演を務めました。永作博美演じる妻が若年性アルツハイマー病にかかり、緒形直人演じる夫が献身的に支える夫婦愛が描かれています。ドラマ版が映画にリメイクされたということで、よりコンパクトに描かれているため、鑑賞しやすくなっています。
・よくあるストーリーでも感動できる演出が印象的
『私の頭の中の消しゴム』では、不倫相手の上司からひどい仕打ちを受けて消沈するスジンと孤独に生きてきたチョルスの恋愛を描いています。幸せになれると思った矢先にスジンの若年性アルツハイマーが発覚し、悲劇的な恋愛へと舵を切るのですが、ここまで聞くとよくある恋愛ストーリーのようにも思えるでしょう。
しかし、ただの切ない恋愛映画で終わらない丁寧な描き方が印象的でした。それぞれ違った傷を負った二人は、自分が持っていない部分で違いを癒していきます。少し口が悪いけれど心温かい性格をしたチョルスは、男性の言動によって深い傷を負ったスジンに安心感を与えました。また、スジンの天真爛漫な性格は、母親から捨てられたことをきっかけに孤独を選んだチョルスの心を開かせます。さらに、スジンからの助言によってチョルスは母親を許すことにするのですが、恋愛以外の部分でキャラクターの大きな心境の変化が描かれている点も魅力といえるでしょう。
前半は二人の恋愛模様が描かれていて美しく胸キュンなストーリーですが、後半に差し掛かると、スジンが若年性アルツハイマー病になっていることが発覚します。断片的な記憶しか残らないスジンは、チョルスを傷つけること、そして自分自身を傷つけることを恐れて別れを切り出します。「死より切ない別れがある」という言葉の意味を痛感します。前半部分で二人の関係性を丁寧に描いたからこそ、みている側も切ない気持ちになってしまいました。
・豪華なキャスティングで見応えがある
『私の頭の中の消しゴム』は、豪華なキャスティングが印象的でした。まず、ネットフリックスドラマ『愛の不時着』で主人公を演じたソン・イェジン。彼女は、本作で、愛するチョルスに対して屈託のない笑顔を見せたり、若年性アルツハイマー病と発覚した際の絶望、記憶が抜けていく虚無感を見事に演じていました。感情がそのまま伝わってくるため、幸せや悲しみがダイレクトに感じられます。
また、ドラマ文化が発展している韓国で映画俳優として活躍するチョン・ウソン。普段は、アウトローで男臭い作品への出演が多いですが、本作でもその片鱗を見せつつ恋愛映画としての魅力を発揮していました。スジンのカバンを盗もうとした男と対峙したり、貧血になったスジンを軽々とお姫様抱っこしていたり、ワイルドで頼り甲斐のあるキャラクターでした。公開当初は世の女性から「理想の夫」とも呼ばれて話題になったそうです。
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