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KCIA 南山の部長

『KCIA 南山の部長』映画のあらすじ

1979年10月26日、大韓民国大統領直属の諜報機関である中央情報部(通称KCIA)の部長、キム・ギュピョンが大統領を射殺した。さかのぼること40日前、キム部長は大統領の腐敗を告発したKCIAの元部長、パク・ヨンガクに接触するため、アメリカへ渡っていた。
参照:U-NEXT

制作(公開年) 2020年
上映時間 113分
監督 ウ・ミンホ
主演・キャスト キム・ギュピョン:イ・ビョンホン

パク大統領:イ・ソンミン

パク・ヨンガク:クァク・ドウォン

主演キャスト「イ・ビョンホン」映画一覧

  • 『JSA』(2000)
  • 『美しい夜、残酷な朝』(2004)
  • 『インサイダーズ 内部者たち』(2015)
  • 『マグニフェントセブン』(2-16)
  • 『非常宣言』(2022)

『KCIA 南山の部長』で大統領暗殺を執行した男、キム・ギュピョンを演じたのは、1970年7月12日生まれのイ・ビョンホンです。

イ・ビョンホンは、1991年にタレントとして芸能活動をスタートします。『美しき日々』『純愛中毒』『誰にでも秘密がある』などのドラマに出演し、日本での第一次韓流ブームの立役者となりました。

韓国国内で着実に俳優としての経歴を積み上げていく中、『G.I.ジョー』(2009)でハリウッドデビューを果たします。日本での知名度が高いこともあり、『HERO』(2007)や『外交官・黒田康作』(2011)に出演し、日本でも活動の幅を広げています。

映画『KCIA 南山の部長』に併せて観たい映画一覧

    • 『英国王のスピーチ』
    • 『アメリカン・スナイパー』
    • 『ホース・ソルジャー』
    • 『アルゴ』
    • 『ハドソン川の軌跡』

『KCIA 南山の部長』のような実話を元にした映画をみたい方におすすめの5本です。映画ではたびたび実話ベースの物語が作られていて、多くの学びを得ることができます。フィクションのようなダイナミックさがないクライマックスも多いですが、ニュースや歴史の授業で聞いたことがある出来事を深く知るには最適です。

『アメリカン・スナイパー』は、イラク戦争において160人以上の敵を撃ち抜いた伝説の兵士を描きました。『KCIA 南山の部長』と同様にたった一つの自分の命をかけて、自分の正義を貫こうとする決死の戦いが繰り広げられています。

『KCIA 南山の部長』映画を見た感想

KCIA 南山の部長

出典元:(C)2020 SHOWBOX, HIVE MEDIA CORP AND GEMSTONE PICTURES ALL RIGHTS RESERVED

・韓国の歴史的な事件を日本人でも見やすく描いている

『KCIA 南山の部長』は、1961年に軍事クーデターを引き起こして事実上の独裁者として巨大な権勢をふるったパク・チョンヒ大統領の暗殺事件を描いています。韓国人であれば知っている歴史的な出来事であっても、日本人には馴染みがありません。韓国の歴史や政治について詳しく知らない人でもすんなりと理解しやすいストーリー設定になっていました。そのため、「韓国の歴史には詳しくないから…」という理由で敬遠している人は、ぜひこの機会に鑑賞してみてください。

韓国国内では、パク・チョンヒ大統領の暗殺事件について、韓国現代史史上、最も評価が難しいと言われていて、本作はあくまで事件前の40日間を描いたフィクションとして紹介されています。

どんなに国民を苦しめる独裁者であっても殺して良いといってしまうと、暴力や戦争を肯定することと同じですので、暗殺者を評価するような描き方もしていないのが特徴的です。実話ベースで物語を描いているという製作側の中立性は映画として価値があるものではないでしょうか。

・イ・ビョンホンの演技の迫力がすごい

『KCIA 南山の部長』で主演を演じたイ・ビョンホンは、大統領を暗殺するキム・ギュピョンを演じますが、作品の緊張感を絶妙な温度で演じました。韓国大統領の直属に当たる機関として大きな権力を持っていたKCIA(韓国中央情報部)の立場から大統領を殺害するということは最大の裏切り行為です。計画が途中でバレれば、韓国を独占支配する大統領を殺害できないどころか自身の命の危機にもつながります。

そんな失敗が許されない環境で、計画を遂行するキム・ギュピョンの行動は、時に見るものをハラハラさせます。命の危険を顧みることなく大胆に動く彼は、自身の中で確立された韓国への愛国心と正義感のみが頼りです。大統領が殺害されることはわかっていても、どのように殺害されるのか、キム・ギュピョンは無事に生き延びることができるのか、最後まで目が離せませんでした。
・大統領暗殺事件の真実は分かっていないことが多い(※ネタバレ)

ここからは本編の重要な部分に触れていきます。

1つ目の感想ですでにお伝えしたとおり、『KCIA 南山の部長』は、歴史的な実話を元にしているものの完全にフィクションストーリーです。

パク・チョンヒ大統領の暗殺事件に関わった当事者は死亡し、関係者は誰ひとり詳細を明かさなかったため、歴史的な出来事の中でも多くの謎が残っています。ただし、大統領を暗殺したのは、KCIAの部長であることは確かと言われているようです。キム・ギュピョンは、本作のラストで海外に逃亡して消息を立ったとされていますが、現実でも韓国を出たのち、消息がわかっていません。

そもそも、なぜ大統領直属の機関であるKCIAが暗殺事件を引き起こしたのか、その動機すらもわかっていないのです。本編では、アメリカの機関から韓国大統領の汚職を暴くように言われていますが、実際は、独裁政治を行う大統領への反発なのか、正義なのか、複数の通説が浮上している状態です。

事実が明確ではないものの、韓国の暗黒時代にピリオドを打ったとして大統領暗殺事件は語り継がれています。

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